2015年11月5日放送のNEWS ZERO(ニュースゼロ)で生活保護に関するテーマの特集が放送になりました。
生活保護受給者は現在200万といわれており、予算は3兆円ともいわれているそうです。
しかし、そのような生活保護受給者を食い物にする現場を目撃、という内容でした。
問題となっている可能性があるのは江戸川区
住居に関することで問題があるということでした。
ロケで登場したのは東京都内のとあるビルの一室です。
いくつかのスペースがカーテンで区切られている、生活保護受給者の集団生活の場所でした。
住人はゲストハウスと呼ぶそうですが、スペースは狭いのにもかかわらずそこに2人が暮らし、間仕切りも非常に簡素な木の板。
その利用料が、月に96,800円だというのです。
その内訳は、住宅費が45,600円、食費が29,000円、光熱水費が11,000円、管理・共益費が11,200円というものです。
そこに20人ほどいる住人は皆、受け取った生活保護から捻出し支払っています。
さらに、風呂はなくシャワーのみ、トイレも共同、洗濯日は毎週火曜日、木曜日、土曜日、シャワーの日が毎週月曜日、水曜日、金曜日、と決まっているそうです。
このように、決して快適とは言えないこの場所に毎月96,800円もの大金を支払って住んでいるのでしょうか?
ここに暮らす住人の方がインタビューに応じ、
「江戸川区の福祉のケースワーカーに指定されて、いまの寮に来ました」
それに従わなければ生活保護が受けられない、とのことでした…。
昨年2014年の11月に江戸川区の福祉事務所の窓口にてこのように言われ、暮らすこととなったようです。
このような現状があることを東京都が黙認しているわけでもないようです。
2015年8月には江戸川区に対し、適切な住環境に改善するように指導をしたとのことです。
これに対し江戸川区は、訪問調査の適正な実施や、必要に応じた転居などを実施する、と応じたそうです。
住居問題とは別の江戸川区の不自然な対応も浮上
都内のAという精神科クリニックに通院すれば、生活保護を受給する、このような持ちかけが窓口の支援員からあったのだと、先ほどインタビューに応じた男性が明かしました。
このAクリニック(仮名)は都内に4件ほど診療所を展開する精神科クリニックだそうで、業務内容としては、依存症などの精神疾患を抱える患者に対し、社会復帰に向けた独自の治療プログラムを行う、というものだそうです。
そのプログラム内容は、卓球やゲートボール場の場合『スポーツ』というカテゴリー。
そのほかには映画鑑賞やカラオケ、買い物ツアーやリラクゼーション、アートなど、様々あるようです。
インタビューに応じた男性は毎日午前9時から午後7時までこの治療プログラムを受診している生活を続けています。
ではなぜ、このAクリニックを江戸川区は勧めたのでしょうか?ここに、不自然な関係が浮上しています。
Aクリニックの関係者そのものが、江戸川区の福祉事務所の窓口に支援員として派遣されていたということが明らかになっています。
Aクリニックに患者が訪れると、1日につき1万円ほど行政から診療報酬があります。
この診療報酬目当にAクリニックが支援員を窓口に派遣し、自らの診療所に来るように誘導していたのか…?
このような疑惑が浮上しているそうです。
このAクリニックは江戸川区に3人、大田区に4人、港区に1人の支援員を、各区の福祉事務所窓口に派遣している実態も明らかになっています。
インタビューに応じた男性は、Aクリニック院長から一生通うように、と笑いながら言われたのだそうです。
このような内容の真相を追及すべく江戸川区に問い合わせたところ、
「Aクリニックに通わないと生活保護を打ち切る」と発言した事実はない、と全面否定する内容。
厚生労働委員会でも取り上げられるほどの問題となっている
2015年9月15日の国会、厚生労働委員会で、
「理由を明らかにしないままそのクリニック(Aクリニック)に通院するように指示が行われていたということも確認された」
と、厚生労働省は不適切な指示があった旨を認めるかたちとなりました。
塩崎厚生労働大臣も、
「悪質な事案であり、言ってみれば生活保護を食い物にするようなことは許されない」
と深刻にとらえた旨を発言しています。
江戸川区と大田区では、Aクリニックの関係者を支援員として契約していたことに関してが、今後見直す方針だといいます。
コンビニに患者の行列
見直す、といっても今もなお多くの生活保護受給者がAクリニックに通院しています。
コンビニへ向かうAクリニックの職員の姿、そしてそのうしろに患者の姿。
さらに店内には会計を待つ10人ほどの患者の列ができていました、列の先頭には職員が立っています。
その職員の手には大量の封筒が握られていました。
1人1人順番が巡ってきた患者の会計を、職員が電子マネーで支払っている様子がとらえられていました。
このようなコンビニの光景に関して、弁護士や司法書士で構成されている『医療扶助・人権ネットワーク』がAクリニック特有の意味があると回答しました。
Aクリニックに通院する患者さんたちがこの医療扶助・人権ネットワークに相談に訪れているようです。
生活保護費は本来、申請した本人しか原則として受け取れないことになっているにもかかわらず、Aクリニックが全額管理し、生活保護受給者本人が直接受け取れていない実態。
Aクリニックに行かなければ、朝食代ももらえない、それゆえに、やめたくてもやめられない、このような拘束的なやり方になってしまっているのだと考えられる、と弁護士の内田明さんがおっしゃいました。
本人の承諾なく、現金書留でクリニック側にお金を送ることについては違法の疑いが強い、ともおっしゃいました。
Aクリニックの理事長に直々にインタビューを試みるも、取材には応じず逃走するという展開になっていました。
クリニックだけが問題があるのではなく、区、そして行政、すべてに問題が追及されるべき問題となっているようです。
このような問題点について、区では否定的回答、しかし、厚生労働省では問題があると認めるなど、不一致な部分があることがそもそも問題でもあります。
今後、どのようにこの問題点が改善されてゆくことでしょうか、行政改革の大きな課題のひとつであるようです。
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